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- 入れ歯
- 2026/05/19
歯がぼろぼろで全部抜いた後どうなる?総入れ歯になるまでのリアルな流れ
「もう歯がぼろぼろで、いっそ全部抜いてしまいたい」——進行した歯周病や多数のむし歯を抱えていると、そう考える方は少なくありません。
しかし実際に全部の歯を抜くとなると、「抜いた後はどうやって噛むの?」「歯がない期間はどのくらい続くの?」「すぐに入れ歯は入るの?」と、不安が次々に湧いてくるはずです。
この記事では、全抜歯のあとに口の中や体にどのような変化が起こりやすいのか、そして総入れ歯(総義歯)が完成するまでの一般的な流れを、段階を追って解説します。歯のない期間をできるだけ短くする方法にも触れますので、これから治療を検討している方の判断材料にしてください。
なお、ここで述べる内容は一般的な流れであり、実際の治療方針・期間・費用は一人ひとりの口腔内の状態によって大きく異なります。最終的な判断は、必ず担当の歯科医師と相談のうえで行ってください。
全抜歯のあと、口と体に何が起きるのか
抜歯直後:出血・痛み・腫れ
多数の歯を一度に、あるいは数回に分けて抜くと、抜いた部分(抜歯窩:ばっしか)からしばらく出血することがあります。通常はガーゼを噛んで圧迫止血を行い、時間とともに落ち着くことが多いですが、当日は唾液に血が混じったような状態が続くことも珍しくありません。
痛みと腫れは、抜歯した本数や歯ぐき・骨を触った範囲が大きいほど強く出る傾向があります。腫れは抜歯後48時間ほどのあいだに出やすく、数日かけて落ち着いていくのが一般的です。痛み止めが案内・処方されることが多く、抗菌薬(抗生物質)は必要に応じて処方されることがあります。指示どおりに服用することが、スムーズな回復につながります。
抜歯窩には「血餅(けっぺい)」という、かさぶたのような血のかたまりができ、これが傷の治りの土台になります。うがいのしすぎやストローの使用などで血餅が取れたり、うまく保てなかったりすると、骨面が露出して強い痛みが出る「ドライソケット」を起こすことがあります。そのため、抜歯後しばらくは強いうがいを避けるなどの注意が必要です。
数週間〜数か月:顎の骨が痩せて形が変わる
ここが、全抜歯を考えるうえで最も理解しておきたいポイントです。
歯は、骨(歯槽骨:しそうこつ)に支えられて立っています。歯を抜くと、その歯を支える役目を終えた歯槽骨は、時間とともに少しずつ吸収されて痩せていく傾向があります。これを「歯槽骨の吸収」と呼びます。
骨の吸収は抜歯後早い段階から始まり、最初の数か月、特に3〜6か月ほどで比較的大きく進み、その後もゆるやかに変化が続くことが一般的です。歯ぐきの形(顎堤:がくてい)も、それに合わせて痩せて低くなっていくことがあります。
この変化が入れ歯にとって重要なのは、入れ歯はこの顎堤の上に乗って安定するからです。骨や歯ぐきの形が変わると、いったんぴったり合っていた入れ歯も少しずつ合わなくなり、ガタついたり、痛みが出たりすることがあります。後述する「段階的な入れ歯の作り方」は、この骨の変化に無理なく対応するための仕組みでもあります。
食事:やわらかいものから段階的に戻していく
歯がない期間、そして入れ歯に慣れていない期間は、食べられるものが制限されることがあります。
抜歯直後の数日間は、傷を刺激しないよう、おかゆ・スープ・ヨーグルト・豆腐・ゼリーといった、噛まずに食べられるやわらかいものが中心になりやすいです。熱いもの、辛いもの、硬いもの、種や殻のあるもの(ナッツ・せんべい・ごまなど)は、傷を刺激したり抜歯窩に入り込んだりしやすいため、避けるのが望ましいでしょう。
傷が落ち着いてくると、煮込んだ野菜や柔らかく調理した魚など、少しずつ食べられる範囲が広がることが期待できます。ただし、入れ歯が完成して慣れるまでは、本来の噛む力に比べると、どうしても一時的に噛みにくさを感じることが多いです。栄養が偏りやすい時期でもあるため、やわらかくても栄養価の高い食品(卵、乳製品、豆類、煮魚など)を意識して摂ることが大切です。
見た目・発音・心理面への影響
前歯を含めて歯がない期間は、当然ながら見た目の印象が変わりやすいため、人前に出ることに抵抗を感じる方もいます。また、歯は発音にも関わっているため、サ行・タ行などが発音しにくくなり、会話に不便さを感じることもあります。
こうした見た目や発音の問題を最小限にするために検討されるのが、次に説明する「即時義歯」という選択肢です。
総入れ歯までの3つの段階:即時義歯・治療用義歯・本義歯
全抜歯から最終的な総入れ歯までは、多くの場合いくつかの段階を踏みます。代表的なのが「即時義歯 → 治療用義歯 → 本義歯」という流れです。すべての人がこの3段階すべてを経るわけではなく、状態によって省略されたり順序が変わったりすることもあります。
① 即時義歯:抜歯と同時に入れる入れ歯
即時義歯(そくじぎし・即時総義歯)とは、抜歯する前にあらかじめ型取りをして入れ歯を作っておき、歯を抜いたその日に装着する入れ歯です。
大きなメリットは、「歯のない期間」を極力作らないようにできることです。抜歯当日から入れ歯を装着できる場合があるため、見た目・発音・ある程度の食事を保ったまま日常生活に戻りやすくなります。前歯を抜く方や、人前に出る仕事の方にとっては、特にメリットが感じられやすい方法です。
一方で、留意すべき点もあります。抜歯前の歯ぐきの形に合わせて作るため、抜歯後に歯ぐきや骨が痩せていくと、どうしても合わなくなってきます。そのため、即時義歯は多くの場合「最終的な入れ歯」ではなく、傷が治るまでの一時的な入れ歯という位置づけになります。装着後は、こまめな調整や、裏側に材料を足して合わせる「リライン」などが必要です。また、抜歯した傷の上に乗せるため、最初は痛みを感じやすい点にも注意が必要です。
② 治療用義歯:歯ぐきの形を整えながら使う入れ歯
抜歯後の傷がある程度落ち着いてから作るのが治療用義歯です。「仮の入れ歯」と呼ばれることもあります。
この段階の目的は、本義歯を作るための準備として、
- 痩せて変化していく顎堤(がくてい)の形を見極める
- 噛み合わせの高さや位置を探って調整する
- 入れ歯そのものに慣れてもらう
といったことを、調整しやすい材料で作られた入れ歯を使いながら進めていくことです。リラインや噛み合わせの修正を繰り返しながら、その人にとって適した形・高さ・噛み合わせのデータを蓄積していきます。
歯ぐきの状態が比較的安定している場合や、即時義歯で十分に経過を見られた場合には、この段階を省略して本義歯の製作に移ることもあります。
③ 本義歯:最終的に長く使う総入れ歯
歯ぐきや骨の形がおおむね落ち着き、治療用義歯で得られた情報がそろった段階で、最終的に長く使う本義歯を製作します。
本義歯は、安定した顎堤の形に合わせて、より精密な型取り・噛み合わせの記録をもとに作られます。材料も耐久性のあるものが選ばれやすく、見た目や噛み心地、フィット感を高めた仕上がりを目指します。
ただし、「本義歯を作ったらすべてが完了する」わけではありません。抜歯後の骨や歯ぐきは、その後も徐々に変化していくため、本義歯も使い続けるうちに少しずつ合わなくなってくることがあります。快適に使い続けるためには、定期的なチェックと、必要に応じた調整や作り替えが欠かせません。
抜歯から本義歯まではどのくらいかかる?
期間は個人差が非常に大きいですが、目安としては次のようなイメージです。
抜歯後の傷がふさがってくるまでに数週間、歯ぐきや骨の形がある程度落ち着くまでに数か月かかるのが一般的です。本義歯はこの「形が落ち着いた段階」で作ることが多いため、即時義歯や治療用義歯で経過を見ながら、抜歯から半年前後を一つの目安に最終的な入れ歯へ移行していくケースが多く見られます。
骨の吸収のスピードや全身の健康状態、抜いた本数、糖尿病などの持病の有無によっても、治りの早さは変わります。あくまで一般的な目安として捉え、具体的なスケジュールは担当医に確認してください。
歯のない期間を最小限にするための方法
歯がまったくない期間は、生活の質に大きく影響することがあります。その期間を短く、あるいはゼロに近づけるために検討される工夫を挙げます。
- 即時義歯を活用する 最も直接的な方法です。抜歯前に型取りをして入れ歯を準備しておけば、歯のない時間を作らずに済む場合があります。前歯がある方や、仕事・社会生活への影響を抑えたい方は、即時義歯が可能かを早めに相談する価値があります。
- 抜歯を計画的に進める 全部の歯を一度に抜くのか、数回に分けるのかで、生活への影響が変わります。一度に抜けば通院回数は抑えられますが、体への負担は大きくなりやすく、分けて抜けば負担は分散されますが、歯のない部分が出る期間が生じます。どちらが適しているかは、歯の状態・体力・生活スタイルによって異なります。
- 抜歯前の段階から歯科医師と治療計画を共有しておく 「抜いてから考える」のではなく、抜く前の段階で「最終的にどんな入れ歯にするか」「歯のない期間をどう埋めるか」まで見通しを立てておくと、スムーズな移行につながります。型取りや製作には時間がかかるため、準備が早いほど空白期間を短くできる可能性があります。
- 傷の治りを妨げない生活を心がける 一般的に、喫煙は傷の治りを妨げたり、ドライソケットなどのリスクを高めたりするとされています。禁煙や減煙、血糖コントロール、十分な栄養と休養は、結果として入れ歯への移行を助けます。
- 定期的に通院して調整を受ける 即時義歯・治療用義歯の段階では、こまめな調整が痛みや不具合の予防につながり、結果として次の段階への移行を円滑にします。「合わないまま我慢する」のを避け、早めに受診することが大切です。
インプラントという選択肢について
すべての歯を失った場合の選択肢は、総入れ歯だけではありません。顎の骨に埋め込んだインプラントを支えにして、入れ歯を安定させる方法(インプラントオーバーデンチャーなど)もあります。
外れにくく、しっかり噛みやすいというメリットがある一方で、外科手術が必要であり、骨の量や全身状態などの条件、費用面の検討も必要になります。
総入れ歯とインプラントには、それぞれ異なる特徴があります。どの方法が自分に合うかは、口の中の状態・全身の健康・予算・希望するライフスタイルを踏まえて、歯科医師とじっくり相談するのがよいでしょう。
まとめ
歯をすべて抜いたあとは、出血・痛み・腫れといった抜歯直後の反応に加えて、顎の骨が時間をかけて痩せていくという変化が起こりやすいです。この骨の変化に対応するために、総入れ歯は「即時義歯 → 治療用義歯 → 本義歯」という段階を踏んで作られることが一般的です。
- 即時義歯:抜歯当日から入ることがある仮の入れ歯。歯のない期間を極力作らない
- 治療用義歯:歯ぐきの形や噛み合わせを整えながら使う準備段階の入れ歯
- 本義歯:形が落ち着いてから作る、長く使う最終的な総入れ歯
歯のない期間を最小限にするには、即時義歯の活用、抜歯前からの治療計画の共有、傷の治りを妨げない生活、こまめな通院がカギになります。
「歯がぼろぼろだから全部抜きたい」と感じている段階こそ、抜いた後の見通しまで含めて歯科医師に相談する好機です。早めに計画を立てることが、不便な期間をできるだけ短くし、納得のいく入れ歯にたどり着く近道になります。
姫路市・太子町で入れ歯・義歯治療にお悩みなら「やはた歯科」へ
兵庫県姫路市(勝原区・網干区)や太子町エリアで入れ歯・義歯治療をご検討中の方は、ぜひ一度「やはた歯科」にご相談ください。
やはた歯科は入れ歯・義歯専門治療に力を入れており、以下のような強みがあります。
- 義歯専門の歯科技工所と密に連携 35年の実績を持つ義歯専門技工所「ハイテック」と提携。特殊な症例では技工士が直接診療に立ち会い、患者様のご要望を叶えるフルオーダーメイドの入れ歯を作製します。
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- 治療後の「予防・メンテナンス体制」が充実 入れ歯を長く快適に使い続けるためには、土台となるお口の健康維持が欠かせません。当院では多数の歯科衛生士が在籍し、予防専用の診療室も完備。「ただ掃除するだけ」ではない、質の高い定期健診・メンテナンスであなたの口腔ケアを一生涯サポートします。
「しっかり噛める入れ歯にしたい」「今の入れ歯が合わなくて痛い」「治療期間や費用について相談したい」など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。丁寧なカウンセリングで、あなたに合った最適な治療計画を一緒に見つけていきましょう。

この記事の監修

八幡 智裕(やはた ともひろ)
当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。
所属学会・研修会
日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー













