小児矯正はいつから?小学1〜2年生から顎を広げる床矯正の仕組み・装置・治療の流れ

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小児歯科
2026/08/26

小児矯正はいつから?小学1〜2年生から顎を広げる床矯正の仕組み・装置・治療の流れ

「子どもの前歯がガタガタに生えてきた」 「乳歯が抜けたのに、次の歯が入るスペースがなさそう」

お子さんの歯並びについて、こんな不安を感じたことはありませんか? 歯並びが悪くなる大きな原因のひとつは、顎の大きさに対して歯が大きく、きれいに並ぶスペースが足りないことです。

小児矯正(1期治療)では、顎の成長が活発な小学校低学年のうちに歯列の幅(歯が並ぶ土台)を広げ、永久歯が並ぶ場所をあらかじめ確保していきます。

この記事では、小児矯正の中でもよく用いられる「床矯正(しょうきょうせい)」について、始める時期・装置の仕組み・ご家庭での使い方・治療期間の目安まで、分かりやすくご説明します。

小児矯正の「1期治療」と「2期治療」

矯正治療は、お子さんの成長段階によって大きく2つに分けられます。

1期治療(小児矯正) 2期治療(本格矯正)
時期 乳歯と永久歯が混在する時期

(おおむね6〜12歳)

永久歯が生えそろった後

(おおむね12歳以降)

目的 顎の成長を利用して、歯が並ぶ

土台(スペース)をつくる

一本一本の歯を正しい位置に並べる
主な装置 床矯正装置などの取り外し式装置 ワイヤー矯正、マウスピース矯正など

1期治療で土台を整えておくと、2期治療が不要になったり、必要になっても健康な歯の抜歯を避けられたり、治療期間が短くなったりする場合があります。「歯を並べる前に、並べる場所をつくる」——これが小児矯正の考え方です。

小児矯正はいつから始めるのが良い?

床矯正を始める目安は、小学1〜2年生(6〜8歳)頃です。

この時期は、下の前歯や上の前歯が永久歯に生え変わり始め、同時に顎の骨がぐんぐん成長するタイミングにあたります。顎の骨の成長が活発なうちは、その力を使って比較的少ない負担で歯列の幅を広げることができます。

逆に、顎の成長が落ち着く中学生以降になると、顎自体を広げることは難しくなり、歯を抜いてスペースをつくる治療が選択肢の中心になってきます。

💡 早めのご相談をおすすめするサイン

次のような様子が見られたら、一度ご相談ください。

  • ・生えてきた永久歯の前歯が重なっている、ねじれている
  • ・乳歯の間に隙間がまったくない(乳歯列は本来、少し隙間があるのが理想です)
  • ・受け口(下の歯が上の歯より前に出ている)
  • ・出っ歯が目立つ、口が閉じにくい
  • ・いつも口が開いている、口呼吸をしている
  • ・指しゃぶりが続いている

すべてのお子さんにすぐ治療が必要なわけではありません。「まだ様子を見て良い」というご案内になることも多いので、気になった時点で気軽に相談していただければと思います。

床矯正の仕組み

歯列の幅を少しずつ広げる「拡大床(かくだいしょう)」

床矯正で使う装置は「拡大床」と呼ばれ、次のようなパーツでできています。

  • プラスチックの床(しょう): 歯ぐきや上顎に沿う土台部分。中央に切れ目が入っています。
  • 拡大ネジ: 床の中央に埋め込まれた小さなネジ。回すと床が左右に開きます。
  • ワイヤー(クラスプ): 歯に引っかけて装置を固定する金属の留め具。

ネジを回すと床が少しずつ開き、内側から歯列をゆるやかに押し広げます。1回の拡大量はごくわずか(約0.2〜0.25mm程度)ですが、これを数か月〜数年かけて積み重ねることで、永久歯が並ぶために必要な幅を確保していきます。 歯を無理に動かすのではなく、歯列の幅と歯を支える顎の骨が、お子さんの成長とともに広がっていくのを助けるイメージです。

床矯正装置はご自身で取り外しができます。食事や歯みがき、学校での体育の時間などは外していただけるため、以下のようなメリットがあります。

  • ・虫歯になりにくい
  • ・装置に食べ物が詰まるストレスが少ない
  • ・見た目を気にせず日常生活を送りやすい

一方で、装着時間を守らないと効果が出ないのが最大の注意点です。目安として、1日12〜14時間以上(食事と歯みがき以外はできるだけ装着し、就寝中は必ず装着)を目標にしていただきます。装着時間が短いと顎が広がらないだけでなく、装置が合わなくなってしまうこともあります。

ご家族にお願いする「拡大ネジ回し」

床矯正では、ご家庭で拡大ネジを回していただくのが大きな特徴です。

回し方の手順

  1. ・装置を口から外し、水で軽く洗います。
  2. ・装置についている専用のキー(細い棒状の器具)を、ネジの穴に差し込みます。
  3. ・装置に刻まれた矢印の方向へ、キーが止まるところまで(4分の1回転) 回します。
  4. ・次の穴が見えたら完了です。装置を戻して装着します。

頻度

医院からの指示どおりのペース(例:週に1回など)で回していただきます。「毎週日曜の夜に回す」など、ご家庭のルールを決めておくと忘れにくくなります。

⚠️ よくある注意点

  • 回しすぎない: 早く広げたいからといって回数を増やすと、装置が合わなくなったり、歯ぐきに負担がかかったりします。
  • 逆に回さない: 矢印と逆方向に回すと、せっかく広がった分が戻ってしまいます。
  • 回し忘れたら: 気づいた時点で1回だけ回し、そこから決められたペースに戻してください。まとめて回すのは避けましょう。
  • 痛みや違和感が強いとき: 無理をせず、次回の来院を待たずにご連絡ください。

最初は「本当に自分で回して大丈夫?」と不安に感じるご家族も多いですが、来院時に必ずスタッフが一緒に練習しますのでご安心ください。

治療の流れ

  1. 初診・相談 お口の中を診察し、歯並びの状態や顎の成長段階を確認します。ご家庭で気になっていることを詳しくお聞かせください。
  2. 精密検査 レントゲン撮影、歯型採り、お口や顔の写真撮影などを行い、永久歯の生え方や顎の骨の状態を詳しく調べます。
  3. 診断・治療計画のご説明 検査結果をもとに、「今、治療を始めるべきか」「どの装置を使うか」「どのくらいの期間がかかりそうか」をご説明します。ご納得いただいてから治療を開始します。
  4. 装置の作製・装着 お子さんのお口に合わせた装置を作製します。装着当日に、着け外しの方法、ネジの回し方、お手入れ方法を練習します。
  5. 定期的な調整(3〜4週間に1回程度) 装置の適合や顎の広がり具合、永久歯の生え変わりの様子を確認します。必要に応じて装置を調整したり、次の段階の装置に切り替えたりします。
  6. 保定・経過観察 目標とする幅まで広がったら、広がった状態を安定させる期間に入ります。その後は永久歯が生えそろうまで、数か月に1回のペースで経過を観察します。

治療期間の目安 —— 中学生頃まで見守ります

床矯正で歯列の幅を広げる期間そのものは、おおむね1〜2年程度が目安です。ただし、小児矯正は「装置を外したら終わり」ではありません。

永久歯は12歳前後まで順番に生え変わり続けます。せっかく確保したスペースに永久歯が正しく生えてくるか、途中で新たな問題が出てこないかを確認するため、永久歯が生えそろう中学生頃まで、通算4〜5年ほど定期的に診察を行うのが一般的です。

段階 期間の目安 内容
歯列拡大期 1〜2年 床矯正装置で歯列の幅を広げる
保定期 数か月〜1年 広がった状態を安定させる
経過観察期 永久歯がそろうまで 数か月に1回の通院で生え変わりを確認

経過観察を経て、永久歯がきれいに並べばそこで治療は終了です。もし歯のねじれや細かい位置のずれが残った場合は、2期治療(ワイヤーやマウスピース)へ進むかどうかを改めてご相談します。その場合も、1期治療で土台ができている分、負担の少ない治療になりやすいのがメリットです。

床矯正を成功させるために大切なこと

小児矯正は、医院だけで完結する治療ではありません。ご家庭の協力があってはじめて効果が出ます。

  • 装着時間を守る: 家に帰ったら装着、寝るときは必ず装着を習慣にしましょう。
  • 決まった曜日にネジを回す: カレンダーやスマートフォンのリマインダーを活用しましょう。
  • 装置を清潔に保つ: 外したら流水で洗い、専用のケースに保管。歯ブラシで軽くこすって汚れを落とします(熱湯は変形の原因になるので避けてください)。
  • なくさない・壊さない: ティッシュに包んで置くと捨ててしまいがちです。外した際は必ずケースへ入れましょう。
  • お子さんを励ます: 頑張っていることをたくさん褒めてあげてください。お子さん自身が「自分の歯のため」と理解できると、装着の習慣がぐっと定着します。

まとめ

  • ・小児矯正(1期治療)は、顎の成長を利用して永久歯が並ぶスペースをつくる治療です。
  • 床矯正は小学1〜2年生頃から始めるのが目安で、取り外し式の装置を使います。
  • ・ご家庭で医院の指示に従って親御さんが拡大ネジを回すことで、歯列の幅を少しずつ広げていきます。
  • ・歯列を広げる期間は1〜2年、その後の経過観察を含めて中学生頃まで4〜5年見守ります。

「うちの子は矯正が必要なのかな?」と迷われたら、姫路市の「やはた歯科」へまずはお気軽にご相談ください。始める時期が早いほど選択肢が広がります。お子さんの成長に合わせた、無理のない治療計画を一緒に考えていきましょう。

この記事の監修

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八幡 智裕(やはた ともひろ)

当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。

所属学会・研修会

日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー

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